祭典の詳細

紀元祭

2月11日は祝日「建国記念の日」。「建国をしのび、国を愛する心を養う」日です。この日に斎行される紀元祭(きげんさい)は、神武天皇(じんむてんのう)が初代天皇として橿原の宮(かしはらのみや)で即位され、国をはじめられた日を奉祝し、皇室の弥栄と日本の国の発展、国民の繁栄と世界の平和を祈願して斎行するお祭りです。
「建国記念の日」は以前は紀元節と呼ばれる祭日であり、大正3年(1914)から、全国の神社でも紀元節祭を行うように定められ、昭和2年(1927)の皇室祭祀令の一部改正によって賢所、皇霊殿、神殿の宮中三殿においての御親祭とされ、大祭のひとつとして斎行されて祝宴も行われていました。
昭和22年(1947)皇室祭祀令が廃止され、昭和24 年以降は紀元節祭という名称の宮中祭祀は行われなくなりました。しかし、昭和天皇は同年より2月11日に宮中三殿で臨時御拝(りんじぎょはい)という名目で紀元節祭と同様の祭祀を行なわれ、上皇陛下、今上陛下もこれを継承され、橿原神宮へも勅使が派遣されています。
この2月11日の日付は、日本書紀で神武天皇が即位したとされる紀元前660年(神武天皇元年)1月1日の月日を、明治に入り新暦に換算したもので、昭和41年(1966)に「建国記念の日」国民の祝日となり、翌年から適用されました。建国記念の日は我が日本国の誕生日です。国旗を掲げてお祝い致しましょう!
*左の絵は「橿原の図(若き武人)」畝傍山を背景に悠久建国創業の昔をしのぶ若き武人の姿が描かれ、清新溌剌として天地と共に栄えゆく、日本の前途の光明を表しています。紀元2600年(昭和15年)の記念に近代日本画の巨匠堂本印象画伯が橿原神宮へ奉納された作品です。
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祈年祭

 「祈年祭(きねんさい)」は「としごいのまつり」ともいい、春のはじめにあたり、その年の五穀豊穣と商工業を始め、すべての産業の発展と国家・国民の繁栄を祈願するお祭りとして、毎年2月17日に斎行されています。
この日は宮中の賢所(かしこどころ)においても大祭として祭儀が行われ、天皇陛下が御親拝なされるのをはじめ、全国各地の神社でも行われます。
この祈年祭に対応して秋の収穫と諸産業の発展を感謝してお祝いするお祭が11月23日の「新嘗祭( にいなめさい)」です。
春の祈りの「祈年祭」と秋の感謝の「新嘗祭」は大祭と呼ばれ、年に一度の「例大祭」と並んで、四季の祭りの中でも特に重要な神事です。
民間でも古くから新しい穀物を神に供え、それを食べて収穫を祝い、新たな霊力をいただく習慣があって、「風土記」 や「万葉集」にその様子が描かれています。
現在でも能登半島の「あえのこと」や関東地方の「十日夜(とおかんや)」として受け継がれていますが、昔はその年の新米は新嘗祭で神様にお供えし、それが終わってから頂くのが習慣でした。新米に限らず初物をいただく時は、必ず神棚にお供えしてから美味しくいただきましょう。新たな霊力(ちから)も間違いなく倍増していただけます。
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天長祭

天皇陛下の御誕生をお祝いし、御長寿をお祈りして、天長祭を斎行致します。
令和の御代の弥栄を祈念し、皇室をいただく日本国が益々安泰に繁栄への道を進み行くことを只管祈願するものです。
私共は、宮中祭祀や御公務の中で、常に国と国民の安寧・発展をお祈りいただく陛下に感謝の真心を捧げ続けることを忘れてはなりません。
御神楽は浦安の舞を御神前に奉奏致します。曲名である「浦安」の語には、神々の安寧慰撫と国の平穏無事が込められており、今日の祭典にこれほど相応しい御神楽はありません。
祭典に続き、御神前を通して皇居を遥拝。国歌「君が代」を斉唱し、聖寿の万歳を唱和致します。
箱根神社は御皇室との御縁が深く昭和天皇皇后両陛下には昭和55年7月3日箱根神社に御親拝遊ばされました。左はそのときの御写真です。
ご参拝を賜ったのちに御本殿裏山林のヒメシャラを御鑑賞遊ばされました。
箱根神社は御皇室の厚い御崇敬を受け、かって箱根に御用邸と離宮が設置されていたこともあって、明治6年明治天皇、同24年大正天皇(皇太子殿下の時に)、昭和50年東宮美智子妃殿下と紀宮様、今上陛下は同56年浩 宮徳仁親王殿下の時ご参拝を賜り、又たくさんの御皇族・宮家の御参拝をいただいております。
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祖霊祭

春分の日は、秋分の日と共に先祖祭りの日です。
歴代の天皇・皇后・皇族をお祀りする皇居の皇霊殿では皇室の御先祖祭りである春季皇霊祭が行われます。
当神社でも祖霊祭斎行に先立ち春季皇霊祭の遙拝式を執り行いお参り致します。(写真は祭場を設けた研修殿)
神様のお恵みと御祖先様の恩とを受けて、誕生し、そのご加護の中で生きて行く我々には、神様のお恵みとご祖先様のご恩とに感謝して、それぞれの家庭で日々お参りを勤めることはとても大事なことです。
◆先人の歌に「日の本に生まれ出でにし益人は、神より出でて、神に入るなり」とあります。その意味は「日本人としてこの世に生まれたすべての人は、祖神より御霊(みたま)を戴いて誕生し、その死後は祖神のもとへ帰って、神となって祖神と共に子孫を守護って行く」というものです。
◆こうして日本人は「神様」と「神(仏)と祀る御先祖様」を奉斎し、日々の感謝を捧げ、御加護を祈念するお祭りを、各家庭で毎日欠かさず勤めています。これが安泰と繁栄の原動力となっているのは言うまでもありません。
◆春秋の彼岸は古来から続く神道の先祖祭りがベースとなって今日を迎えているものです。皆様には、しっかりとお祭り(お参り)を修め、更なるお蔭をいただかれて、神様・御先祖様の御加護のもと心豊かにお過ごしの程、御祈念申し上げます。
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神武天皇祭遙拝式

神武天皇が崩御された4月3日に、宮中の皇霊殿と神武天皇御陵の奈良県橿原市の畝傍山東北陵で、神武天皇祭が執り行われます。
これにあたり前庭に於いて御陵を拝して遙拝式を行います。
天照大御神が天孫・瓊瓊杵尊に仰せになった「豊葦原の瑞穂国はわが子孫の君たるべき国なり」のお言葉通り、神武天皇が国内を統一なさり、畝傍山の東南・橿原の地に皇居を造られ、初代天皇として即位の礼を行われました。]
橿原のとほつみおやの宮柱
たてそめしより国はうごかず
橿原の宮のおきてにもとづきて
わが日本(ひのもと)の国をたもたむ
明治天皇御製明治天皇御製
天業恢弘(てんぎょうかいこう)
神武天皇がなされた偉大な事業は、天照大御神が下された御言葉に従って、平和で豊かな国づくりをなされたことです。神武天皇は、天照大御神が瓊瓊杵尊の御降臨の際に下された御言葉のように、民のために正しい政治を行い、やがて「八紘(あめのした)を掩(おおい)宇(いえ)と為せむ」(天下を一つの家のように)との「天業恢弘」(高天原を地上に実現させ、広めること)の理想を実現なさるため、地理的にも政治的にも重要な位置にある大和国原の橿原の地でこそ、日本を統一して国家体制を築き上げられると確信なさったのです。
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昭和祭

4月29日は「昭和の日」です。この日は昭和天皇の御誕生日であり、昭和の御代には「天皇誕生日」でしたが、昭和天皇が崩御され、元号が平成に改まってからは「みどりの日」となりました。
しかし「昭和」の時代を顧みるにふさわしい名称を望む多くの国民の声に応え、平成17 年に祝日法が改正され、激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす祝日として「昭和の日」となりました。この日、全国の神社では「昭和」という歴世稀にみる激動の時代を顧みつつ、昭和天皇の御聖徳と御事績を仰ぎ「昭和祭」が厳かに斎行されます。
昭和天皇皇后両陛下は昭和24 年(1949)、元箱根での植樹祭ご臨席にあたり、当神社に幣饌料(へいせんりょう)を御下賜になられたのをはじめ昭和30年の箱根行幸啓、また昭和41年の箱根神社御鎮座1200年式年大祭、以後三度に亘る県下への行幸啓に際しても幣饌料を御下賜になられました。
昭和55年(1980)7月3日には、当神社への行幸啓を賜り、両陛下の畏き思し召しにより御神前に太玉串を供えての御親拝の栄に浴しました。
若きころ登りし山をなつかしみ
かへりみてゆく旅はたのしき
これは昭和55年の箱根行幸啓に際して詠まれた御製です。昭和天皇は、幼少時から皇太子時代にかけて幾度も箱根で夏をお過ごし遊ばされました。
皇太子であられた大正時代にも、当神社に御拝遊ばされたほか、初めて登山電車が開通した際には御乗車を賜りました。その折々に箱根の山々で登山をお楽しみ遊ばされ、明星ヶ岳登山道には記念碑が建てられています。
昭和天皇と箱根の関係を語る上で、現在の恩賜箱根公園にあった「箱根離宮」の存在は重要です。明治6 年(1873)8月20日に明治天皇が当神社に行幸され御親拝遊ばされた10年後、初代内閣総理大臣伊藤博文の勧めにより、神社対岸の旧社領・塔ヶ島に「塔ヶ島離宮」が完成し、23年には「函根離宮」と改称されました。(写真は、恩賜箱根公園に建つ離宮の面影を再現した2 階建ての洋館「湖畔展望館」) 和風の御殿と西洋風の建物とからなる美しい離宮は、芦ノ湖と富士山が織なす日本一の景観を誇り、明治、大正、昭和の天皇御三代にわたり愛され、多くの皇族方や賓客のご来遊とともに箱根との御縁も深まりました。 若き日の夏、御父君とお過し遊ばされた楽しい思い出多き地が箱根であり、冒頭の御製によく表れています。
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九頭龍神社新宮例祭

4月29日午前10時、昭和祭に引き続き九頭龍神社新宮に於いて例祭が斎行されます。
水恩に感謝申しあげ、芦ノ湖の安全と共に、心願成就・縁結び、金運守護の広大な御神徳を仰ぐ多くの崇敬者が全国各地より参列されます。
九頭龍神社新宮の鎮座する箱根神社御本殿東脇の境内は、箱根神社例祭の前夜に斎行される、湖水祭「庭上の儀」の専用の祭場とされて居りました。
九頭龍神社新宮はこの所縁深き祭場に、平成12年辰年の良き歳に九頭龍神社本宮より御分霊を戴き鎮斎されました。
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曽我神社例祭

曽我神社は、『曽我物語』で有名な曽我十郎祐成(すけなり)、五郎時致(ときむね)兄弟の御霊をお祀り致しております。
5月28日午前10時総代、崇敬者、小田原市剣道連盟居合道部の剣士を始めとする参列者と共に例祭の斎行です。
修祓に続き、一拝、献饌、祝詞を奏上致します。御神楽は「豊栄の舞」を奉奏します。
傘焼の儀は、大願成就(仇討本懐)の夜、大嵐の中で傘を松明代りとした故事に因んでおこなわれる神事です。
次に宝刀を拝受し、御神前に居合を奉納されます。
参列者全員の玉串拝礼、撤饌、一拝と修め、曽我神社の例祭は恙なく奉修となります。
御祭神の御神徳に感謝の真心を捧げ、その御加護のもと、大御代の弥栄、国民の安寧幸福、日本の繁栄発展をご参列各位と共に祈願申し上げます。
=曽我兄弟の仇討=
曽我兄弟は、幼名を兄・十郎は一萬(いちまん)、弟・五郎は箱王(はこおう)と言いました。兄弟が五歳、三歳の時に、所領をめぐる争いから実父河津三郎祐泰(すけやす)が工藤祐経(すけつね)に討たれるという不幸に遭遇します。母・満江御前(まんごうごぜん)は、兄弟の身に危険が及ぶことを恐れ、曽我祐信(すけのぶ)と再婚し、兄弟は曽我姓を名乗ることになりました。兄・一萬は成人元服して名を十郎祐成(すけなり)と改め曽我の家督を継ぎ、弟・箱王は実父の菩提を弔うべく箱根権現別当の下に稚児として預けられ、修行に専念することになりました。
文治三年(一一八七)正月、将軍・源頼朝の箱根権現参拝(二所詣)に付き従う敵・工藤祐経を眼のあたりにした箱王は、復讐の念にかられ隙を窺うが果たせず、敵・祐経と対面し「赤木柄(あかぎつか)の短刀」(箱根神社所蔵・国重文)を授けられ却って諭されてしまいます。十七歳になった箱王は出家を嫌い無断で箱根山を降り、元服して五郎時致(ときむね)を名乗り、兄・十郎祐成と共に仇討を決意しました。
建久四年(一一九三)五月、仇討ち決行の途次、兄弟は箱根権現に参拝し、別当に過去の非礼を詫びるとともに暇乞(いとまごい)をしました。兄弟の心中を察した別当は、それぞれ宝刀の微塵丸(みじんまる)、薄緑丸(うすみどりまる)を授け激励いたしました。折から頼朝に従って富士の大巻狩に参加していた工藤祐経を付け狙い、遂に五月二十八日夜半、祐経の館に討入り、奇しくも与えられた赤木柄の短刀でとどめを刺し見事本懐を遂げました。
さらに、兄弟は十番切にみられる無類の剛勇で闘い、源頼朝の館まで乱入しましたが、兄・十郎は討死、弟・五郎は捕らえられてしまいました。翌二十九日、捕縛された五郎は頼朝の面前で、堂々とこれまでの仇討の苦衷を述べました。これを聞いた頼朝は兄弟の武勇に感嘆致しましたが、五郎は惜しまれながらも斬首されました。 後に頼朝は兄弟のその孝心に感じ入り、養父・曽我祐信に暇を与え領地の年貢を免じ、兄弟の菩提を弔わせました。また十郎祐成の討死を愛人の虎御前(とらごぜん)は深く悲しみ、兄弟の母と共に箱根権現で亡き兄弟の供養につとめました。 大願成就(仇討本懐)を遂げた5月28 日に斎行される曽我神社の例祭では、討入りの晩、傘に火をつけ松明代わりに工藤祐経の館を目指したという故事に倣い「傘焼神事」が行われます。

夏越大祓

6月30日午後4時より夏越の大祓が行われます。大祓詞奏上の後、切り麻、大麻、贖物で祓い、形代に罪穢を移し、恙無く大祓を奉修して、罪穢れのない清々しい元気な心身に立ち返ります。(画像は大祓詞奏上)罪穢を移した形代は芦ノ湖へ流して罪穢れを祓い去ります。続いて、茅の輪をくぐって、夏の疫病(はやりやまい)にかからない、丈夫な心身を保つ大きな力をいただきます。茅の輪の前で一礼し、くぐったらまず左へ、次に右へ周ります。茅の輪をくぐる時に「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶと言うなり」と、唱えながらくぐります。三度くぐったのちにまっすぐ進み、みんなで一緒に箱根神社にお参りします。この後、「幸福飴の直会」に続いて、参列の皆様に、一家に一本の「祓笹」をお頒ちいたします。皆様には大祓・茅の輪神事の奉修によって、清められ力を得た心身で、厳しい夏もしっかりと乗り切り、いよいよ充実した心豊かな毎日をお過ごし下さいますよう祈念申し上げます。
大祓とは?
大祓は神代から行われている祓の神事で 、6 月30日と12月31日の両度行われます。 それぞれ半年の間、知らず識らずのうちに犯してきた種々の罪穢を祓い清めることにより、身も心も共に清々しく甦らせ、心気を一新して各自の務めにいそしみ励む決意を固め、一家の幸福を増進せんとする、意義深い大切な行事です。
尚、今年御不幸のあった御家族の方々には、忌事を避け嫌う普段の祭りと異なって、お清めを主意とする大祓へのご参加をなおさらにおすすめいたします。
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公魚献上奉告祭

秋深まる箱根芦ノ湖では、毎年10月1日にワカサギの刺し網漁が解禁となります。初漁りされたワカサギは当神社の御神前に奉献されて公魚献上奉告祭が厳かに斎行されます。
この祭りは、芦ノ湖で初漁されたワカサギを皇居の宮中賢所に献上する由を箱根大神様に奉告すると共にその豊漁を感謝し人々の幸福を願う当神社固有の祭りです。 献上の公魚は職員の手により調製致します。
祭典奉修後直ちに、宮司が総代、芦ノ湖漁業協同組合員と共に出発、宮中(賢所)、宮内庁(天皇皇后両陛下)、上皇陛下御所、秋篠宮邸、常陸宮邸に参向し献上致します。
これが刺網(さしあみ)です。
漁師さんは暗くなった頃、それぞれのポイントに網を仕掛け、翌朝日の出頃に網を引き上げます。
毎年2月の終わりから2ヶ月に渡って、芦ノ湖漁業協同組合職員の手により採卵・孵化・放流作業が行われています。
この、「公魚を増やそう!芦ノ湖プロジェクト」は大きな成果を上げ農林水産大臣賞を受けました。その画期的なノウハウはたくさんの要請を受けて、現在全国各地で展開されています。芦ノ湖の公魚(わかさぎ)がとっても美味しい訳が、お分かりいただけたでしょうか?
生粋の芦ノ湖っ子の美味しさは日本一の折り紙つきです!
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神嘗奉祝祭

神嘗奉祝祭(かんなめほうしゅくさい)は、伊勢神宮で斎行される神嘗祭を奉祝して、全国の神社で行われるお祭です。箱根神社では10月17日午前9時に斎行し、引続いて神宮を遙拝致します。
祭典に先立って祓所にて修祓を行い、参進して御本殿へ参入します。
中祭式に付き御扉をお開けします。
御扉の内に神饌を献じた後、宮司祝詞奏上 
神宮遥拝(前庭に於いてご参拝の皆様と共に)
「神嘗祭(かんなめさい)」について
天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、神代の昔「稲穂こそ国民の食して活くべきもの」とお定めになり、高天原(たかまのはら)から常世の国(とこよのくに)への天孫降臨(てんそんこうりん)に際しては瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に御手ずからその稲種をお授けになり送り出されました。
こうして我が国は稲作を中心として自然と共生する穏やかな暮らしぶりの中で今日まで発展を続けて参りました。
この国民生活の根幹を為す「稲」の稔りを迎え、天照大御神の大前に新穀を捧げ、御神恩に感謝申し上げると共に、皇室の弥栄と国家の安泰と繁栄、五穀の豊穣、国民の平安を祈願して行うお祭りが神嘗祭です。
年間1600余りある神宮のお祭りの中で、6月・12月の月次祭とともに重要とされる「三節祭(さんせつさい)」の一つであり、中でも「神嘗祭」は神宮のお正月とも呼ばれる神宮で最も重要なお祭りです。
神嘗祭では、天皇陛下が宮中でお作りになられた初穂の束が瑞垣御門の柱に懸けられ、更に周囲の瑞垣には、全国各地から献納された初穂の束が懸けられます。この初穂の束を懸税(かけちから)と云いますが、御神前に懸けてお供えされる懸税は、稔りを迎えた収穫感謝のしるしであると共に、「一粒万倍」の稲種のように子々孫々に継承発展して行く生命を与えて下さる神様の御神恩への感謝のしるしでもあるのです。
この神嘗祭を最も鄭重に行うのが、20年に一度の式年遷宮です。式年遷宮は、古例のままに御社殿や殿内の御装束神宝を始め全てを新しくして大御神に新殿にお遷りいただき、大御神の大御光をより強く大きく更新していただいて、国も人も共々に若々しく立ち返り進み行こうという常若(とこわか)で永遠の発展の祈りを込めて行われる神宮最大のお祭りです。式年遷宮が大神嘗祭(だいかんなめさい)とも言われる所以が茲にあります。
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箱根元宮例祭・御神火祭

10月24日早朝箱根園からロープウェーで駒ケ岳山頂へ登ります。
10:00
御神火祭斎行御神火祭は雨の岩戸開きを今の世に再現するお祭りで、新しい世明けを迎え、新しい力を得て、世の中をいよいよ造り固めて行く事を祈誓し、採火します。
燧火の儀で燧り出され、遍く世を照らす神の御恵を象徴する御神火を前に、皇室の弥栄、国家国民の安寧、世界平和を参列の皆様と一緒に祈願して斎行致します。この願いは、常に天皇陛下が私共の為に日夜お祈りなされている「国家国民の安寧、世界平和の願い」と同じものであり、その大御心に倣って行うものであります。燧り出された御神火を篝火に点火した後、大祓詞を奏上し、続く鶏鳴の儀で、新しき世明けが告げられます。
玉串拝礼は、宮司以下、総代・氏子崇敬者他の代表者により行われ、参列者が夫々の代表に合わせお参り致します。
11:45
箱根元宮例祭御神火祭で燧り出された御神火を奉献し、御神体山を拝し箱根元宮例祭を斎行。
11:40
例祭に続いて、御神火巡行祭。
御神火を捧持して、元宮から箱根神社へ向かいます。
12:30
箱根神社大前に御神火を捧げ、世界平和祈願祭を斎行。
翌日25 日には、箱根全山11社の神社を御神火が巡り、夫々に皇室の弥栄、国家国民の安寧、世界平和を祈願する御神火巡行祭が執り行われます。
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明治祭

11月3日午前8:30より明治祭が斎行されます。以前は明治節と言われ明治天皇のお誕生日を祝う祭日でした。
我が国を近代国家としての発展に導かれた明治天皇の大業を称え、皇室の弥栄と国の益々の発展、そして文化の振興と産業の増進、永遠の平和を祈るお祭りで、中祭にあたります。祭典に続いて記念式典を行い、 ご参列の皆様と一緒に、国歌「君が代」を斉唱、「教育勅語」を奉読し、「明治節の歌」を斉唱いたします。

御皇室の崇敬から 明治天皇のご参拝と芦ノ湖の漁撈

以下に「教育勅語」の原文と、明治神宮崇敬会発行の「たいせつなこと」からの意訳口語文を掲載いたしますので、ぜひ一度お読み下さい。 とても分かり易く書いてありますので、お子様にお話しいただく時によろしいかと存じます。

教育ニ関スル勅語 朕惟フニ 我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ
德ヲ樹ルコト深厚ナリ

国民の皆さん、私たちの祖先は、国を建て初めた時から、道義道徳を大切にする、という大きな理想を掲げてきました。

我カ臣民 克ク忠ニ 克ク孝ニ 億兆心ヲ一ニシテ
世世厥ノ美ヲ濟セルハ 此レ我カ國體ノ精華ニシテ
教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス

そして全国民が、国家と家庭のために心を合わせて力を尽くし、今日に至るまで美事な成果をあげてくることができたのは、わが日本のすぐれた国柄のおかげであり、またわが国の教育の基づくところも、ここにあるのだと思います。

爾臣民父母ニ孝ニ 兄弟ニ友ニ 夫婦相和シ 朋友
相信シ 恭儉己レヲ持シ 博愛衆ニ及ホシ 學ヲ修メ
業ヲ習ヒ 以テ智能ヲ啓發シ 德器ヲ成就シ

国民の皆さん、あなたを生み育ててくださった両親に、「お父さんお母さん、ありがとう」と、感謝しましょう。 兄弟のいる人は、「一緒にしっかりやろうよ」と仲良く励ましあいましょう。 縁あって結ばれた夫婦は、「二人で助け合っていこう」と、いつまでも協力しあいましょう。 学校などで交わりをもつ友達とは、「お互い、わかってるよね」と、信じあえるようになりましょう。 また、もし間違ったことを言ったり行った時は、すぐ「ごめんなさい、よく考えてみます」と自ら反省して謙虚にやりなおしましょう。 どんなことでも自分ひとりではできないのですから、いつも思いやりの心をもって「みんなにやさしくします」と、博愛の輪を広げましょう。誰でも自分の能力と人格を高めるために学業や鍛錬をするのですから、「進んで勉強し努力します」という意気込みで、知徳を磨きましょう。

進テ公益ヲ廣メ 世務ヲ開キ 常ニ國憲ヲ重シ國法
ニ遵ヒ 一旦緩急アレハ 義勇公ニ奉シ 以テ天壤
無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ

さらに、一人前の実力を養ったら、それを活かせる職業に就き、「喜んでお手伝いします」という気持ちで公=世のため人のため働きましょう。 ふだんは国家の秩序を保つために必要な憲法や法律を尊重し、「約束は必ず守ります」 と心に誓って、ルールに従いましょう。もし、国家の平和と国民の安全が危機に陥るような非常事態に直面したら、愛する祖国や同胞を守るために、それぞれの立場で 「勇気を出して頑張ります」と覚悟を決め、力を尽くしましょう。

是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス
又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン

いま述べたようなことは、善良な日本国民として不可欠の心得であると共に、その実践に努めるならば、皆さんの祖先たちが昔から守り伝えてきた日本的な美徳を継承することにもなりましょう。

斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ 子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所 
之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス

このような日本人の歩むべき道は、わが皇室の祖先たちが守り伝えてきた教訓とも同じなのです。かような皇室にとっても国民にとっても「いいもの」は日本の伝統ですから、いつまでも「大事にしていきます」と心がけて、守り通しましょう。この伝統的な人の道は、今も昔も代わることのない、また海外でも十分通用する普遍的な真理に他なりません。

朕爾臣民ト倶ニ 拳拳服膺シテ 咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

そこで、私自身も、国民の皆さんと一緒に、これらの教えを一生大事に守って高い徳性を保ち続けるため、ここで皆さんに「まず、自分でやってみます」と明言することにより、その実践に努めて手本を示したいと思います。皆様には、ぜひぜひ教育勅語をお読みいただいて、その内容をお子さんやお孫さんを始め家族はもちろんのこと、周囲の人々ともお話し下さいますようお願い申し上げます。 次代を担う子供たちの為、今を生きる私共が教育勅語の理念のもと、常に手本となる範を示すことこそ、今の日本に一番必要なことであると思います。

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新嘗祭

新嘗祭(にいなめさい)は、春2月17日に五穀の豊穣・全産業の発展を祈願して行われる祈年祭(きねんさい)に相対して、新穀を収穫する稔りの秋の11月23日に行われる、春の祈願の成就を感謝するお祭りです。
この日は、天皇様にも御自らお育てになられて、この秋に収穫された新穀を神々に奉られ、御自らも召し上がります。昔から、その年の新米は新嘗祭で神様にお供えし、お祭りが終わってから感謝を込めて頂くのが全国的な習慣でした。感謝の心は、私共の日々の暮らしの中でも一番大事なものです。自然の恩恵や周囲の人々に感謝し、その中で生かされている自分を見つめ、一人では何も出来ず、自身が動かなければ何も変わらぬことを再確認いたしましょう。
そして、いつでも、どこでも、見守っていただく神々に、計画と実行で一所懸命進んで行く自身の姿を見ていただくことにより、更に大きな御神助と御加護を得て愈々心豊かに進み行かれますよう祈念申し上げます。
左の写真は神饌を神様にお供えしていることろです。
「献饌(けんせん)」と申します。
神饌について
◇神饌(しんせん)とは、神様へのお供え物で、お祭りを行う時には必ずお供えします。
◇基本は、お米とお酒、お塩にお水の4品ですが、お祭りの規模や種類によって夫々異なります。
◇新嘗祭は例大祭に並ぶ、一番大きいお祭りですので、当神社では、和稲、荒稲、白酒、黒酒、餅、海魚、川魚、野鳥、海菜、野菜、菓子、塩、水、の13品をお供えします。
◇神饌の数え方は、神饌を載せる三方(さんぼう)や高杯(たかつき)の数によって、○○台と数えます。
◇先程の当神社の新嘗祭の神饌13品は、11台の高杯にのせてお供えしています。
◇左の写真上は、 和稲(精米)と荒稲(籾)。下は、白酒(にごり酒)と黒酒(清酒)です。
◇他に、花神饌といって桜や桂の花をお供えする神社もありますし、当神社で九頭龍様に赤飯を捧げるのと同様に、その神社独特の調理した様々な神饌を献じたり、その地方の特産物を供えたり、英霊感謝祭などはタバコ等御祭神の好物を捧げたり、と、色々ですが、「神様に感謝の心を込めてお供えし、おもてなしをする」という心には変わりがありません。
神棚のお供えについて
◇家庭の神棚への神饌は、普段の日には、米(炊いたご飯か洗米)、塩、水をお供えします。
家庭で行うお祭りの日(1日、15 日、祝祭日、家族の誕生日やお祝いの日)など特別の日には、お酒や海山の幸をお供えして、鄭重にお祭り(お参り) します。
◇お供えした神饌は、お参りが終わったら御神前からさげて食します。神様の霊力のこもった神饌ですから、みんなでいただきましょう。到来物や初物なども、まず最初に神棚にお供えしてからいただきましょう。
新嘗祭は祈年祭・例大祭に並ぶ、大変重要な祭典ですので、装束は正服を着用し、大祭式で行います。
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神札頒布祭

神宮大麻、箱根神社を始め箱根各地域の産土神社、竈神、大年神の御札は12月1日の神札頒布祭奉修から皆様にお頒ちいたします。
=神宮大麻奉斎のすすめ=
神宮は皇室の御祖先の神様であり、我々日本人の総氏神様である天照大御神様をお祀りしています。 そのお姿は『日本書紀』によれば「光華明彩(ひかりうるわ)しくして、六合(くに)の内に照り徹る」と記され、この上なく輝かしい御存在として、また神々の世界を治める「日の神」として伝えられています。つまり、日本で最も尊い神様をお祀りするお宮のお神札が神宮大麻です。 我々日本人は天照大御神様の明るく恵み多い御神徳のもと、生きる力を戴き、様々な災厄からお守りいただいて豊かな日々を過ごしています。神宮大麻は、私共が日々のお参りの中で、天照大御神様の御加護に感謝を捧げ、大御恵を祈念してお祀りするお神札なのです。
皆様には新年を迎えるにあたり、神宮大麻を始めてお住いの地域の氏神様、崇敬される神社のお神札、大年神様、竈神様のお神札をそれぞれに新しくお祀りいただきます。
それはお正月を迎える前に、新しい御神札で神様をお祀りして更なる御神威の発揚を願い、全てが改まる新しい年を迎えて、より大きな御神徳を戴くためです。
神様と毎日生活を共にしているという気持ちが、ご自身にご家庭に心の安らぎをもたらしてくださいます。 日々のお参りの中で、神様に手を合わせることは、ご自身と向き合う大切な時間です。
心を整えて感謝の気持ちを捧げましょう。 また神様にお願いしたことに対しては、その目標に向かってやるべきことの誓いを立て実践していただきたく思います。
家庭の祭りは心豊な暮らしの基本です。皆様におかれましては、家庭の中心に神宮大麻、御神札をお祀り頂き、神々の御加護のもと清らかな日々をお過ごし下さい。
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煤払式

その年年で変わりますが12月21日もしくは22日は冬至です。
一年中で昼が一番短く、夜が一番長い日です。箱根神社では御社殿の煤祓式をおさめ、各所で大掃除の真っ最中です。皆さんのご家庭ではお済みになりましたでしょうか?
冬至の日には「冬至かぼちゃ」を食し「ゆず湯」に浸かって、厄除・無病息災をおさめる伝承がありますが、この、ご祖先様の知恵は科学的にも証明されていて、かぼちゃに多く含まれるカロチンは、体内でビタミンAにかわって肌や粘膜を丈夫にし、風邪をひかない身体を作ってくれますし、柚子には血行を促進する成分や、鎮痛作用のある成分が含まれ、ビタミンCも豊富。ゆず湯に浸かって全身からこの成分を吸収することで、これまた風邪をひきにくくする効果があるのです!冬至の日には「冬至かぼちゃ」と「ゆず湯」をぜひどうぞ!
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師走大祓

師走大晦日の12月31日午後2 時になりますと愈々師走の大祓です。形代で祓い、大麻で祓い、更に祓物で祓い、幾重にも祓を重ねて、皆様には罪穢れのない清々しい元気な心身に立ち返りました。そして、茅の輪をくぐり健康な心身を保つ大きな力を戴きます。大祓ご参加の全員で箱根大神様にお参りをし、師走の大祓はめでたく修めとなります。

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